キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

三月さん

三月書房さんが閉店するという記事を読んだ。購読する新聞で。
20年になるか、髪を切ってもらっている美容師さんの店が以前寺町通にあった。
友達の実家もあった。
古本屋のようでそうでない新書の気になる本がいっぱい置いてある書店で、
書店というよりやっぱり書房という感じで店の奥におじいさんがいた。
髪を切る度に立ち寄っていた。
そのおじいさん宍戸恭一さん。
交際前の元夫と宍戸さんは知り合いで、宍戸さんと息子さんが店番を交代するころを見計らってよく鴨川や高瀬川を歩いた。
よくコーヒーを飲んだ。
蛍を見に行った。
よく写真を撮ってくれた。
震えるのかいつもちょっとピンボケしていた。
書房の中と違って外ではいつも笑っていた。
新聞記事に映っていた宍戸さんはもちろん息子さんで宍戸さんとは雰囲気は違うが三月さんだった。
なくなるのか三月さん。
と、宍戸さんを挟んで座った喫茶店のカウンターの交際前の元夫のことも思い出した。
交際前だからいい思い出しかない。

残している記事、響き震わす言葉

もう何年も前の別サイトのブログの記事において、誤った記載があること連絡をいただいた。
根拠は何か、出典先はどこからで誰のものか。
その頃の私も完全なる引きこもり状態で、社会とつながっているものは購読している新聞が主だった。
たいていの気になる記事や資料としてスクラップしているはずだから探してみたがその記事に限って見つからなかった。
間違いなく新聞の切り抜きと他の手に入る情報などを頼りにそのページを書いたのを覚えていた。
その研究による結果が誤りで、今は書き換えられていることを知った。
私もまたそのページのその文言と特定するものを訂正した。
が、その時その時点で感じたこと、心が反応したことは忘れたくないと思ってそのページは残したい。
その旨、訂正したことなどと謝罪とを返信した。

もう何年も前でもその箇所に気づいて、私を見つけてくださったことに驚きもしたが感動した。
そして、書いて残していくことに怖さも感じて緊張もする。
今、この小さな画面でいろいろなことが知れる、知りたくもないことも知らされる。
そして知りたいことには、知っていることが多ければ多いほど本当に知りたいことに行きつける。そしてそれ以外のことは素通りしてしまうことが多い。
この小さい画面での作業は向いていないのかもしれないし、もっと上手になっていかなければいけないことだし、自分でできる調査実験はしていくべきだし、臨床結果として確かなものを手に入れるために労を惜しんではいけないということも改めて知った。

そして私のスクラップブックは10年近くたって十数冊と増えているが興味の対象は大きくは変わっていない。
そして、まだ大きく変化も起きてはいない。
私も、そこに踏み込んで間がない。
そして、知っていることもつながりもまだまだ少ない。
スクラップの記事は読み返しても読み返してもいろいろな響きをくれる。
今日もまた小さな記事を切り取った。

膝の変身

ママが家にいるということは、毎日といわなくても
ほぼ毎日フローリングやらの水拭きを一緒にやるという日課が子たちにももれなくついてくる。
自粛中は毎回。
土日祝日も毎回。
一階をいくつかのパートの分けてそれぞれの担当を決めて。
玄関に飾ったユリの花粉が落ちてぞうきんを染めた花粉の色のことや
バアバの食べこぼしが増えてきたことや
脱衣所の隅の掃除のしにくさや
窓際のフローリングの日焼けのことや
ワックスが取れてきていることや
階段のすべり止めのゴムがガタガタしてきたことや
今日のぞうきんを絞った水の精油の香りの好みなど
なんだかんだと報告してくるのが可笑しい。
いやいやにやっているのは知ってるけれど、
ママも一緒にやってるし、
家への感謝も手入れの習慣も覚えていてほしい。

午前中家にいるときは、ほぼ床の水拭きはする私。
寺の嫁さんかといわれるほど、膝まづく膝が黒い。
この年になると膝小僧出すような恰好はしないが、浴室の鏡に映る膝を見たらがっかりすることもあるし、すぐに膝の生地は薄くなってレギンスもどのパンツもダメにしてしまう。

この自粛中、やたらスクワットをしたから思った以上にヒップアップと下半身の引き締まりを自覚した。
スキニーパンツをはいたら太ももとふくらはぎがパツパツで太くなった気はしたが全体のラインはきれいになっている。
そして、かつてのおっさん顔の人面膝がちゃんと膝のお皿の形が分かるほどシュッとしてる。
色は黒いままだけど。
筋肉は裏切らない。
自分の努力と習慣で変われる。
次は背中、天使の羽のような肩甲骨!!

ラクダのポーズ

とぎれとぎれではあるがヨガの教室に通って、
毎日のヨガ時間10分を日々の時間に取り入れて長い。

10分をただ一つのポーズに集中したり、一連の動きを悩まずに済むよう体が覚えたものでないと
ただのストレッチのようになってしまう。
まだ無心に過ごさせてくれる声の誘導が私には必要なのだ。

この数か月の時間、筋肉量を落とさないことと、体幹を自覚できるよう体のコントロールができること、肩甲骨がくっきり姿を現せる背中になることに意識を傾けたトレーニングをしようと目標を立てた。
が、やっぱりコロナ太り。
時間ができたことで、パンもしょっちゅう焼いた。
一緒におやつも作った。
食事の品もちょっと頑張った。
お茶する時間が増えた。
毎日の緊張感も和らいだ。

でも、ヨガ時間の習慣は破らなかったし、子供が外遊びする時間はスクワットをしたり主に下半身の筋トレはした。
で、ある日食べすぎか胃腸の調子が悪いとなって
そうそう、ラクダのポーズでもしてみようと
ちょっとしんどいポーズだから徐々に徐々にと
3日かけて両ひざをつき少しずつ体をそらして右手で右かかとをつかむ、
また次の日は体をそらしながら左手で左かかとをつかむを
ほんとに日に何度かその引っ張った筋肉を緩めながら徐々に徐々にそのポーズを目指した。
以前も気に入ってしていたポーズだからそう無理はしていないと思っていた。
3日たって気持ちいいと思える形になってきていた。
でも、そのあたりから筋肉痛のような腰の痛みが出だして左足を挙げて片足で靴下がはけないほど痛い左の腰。
もう何日もなるけれど腰が痛い。
腰痛なんて妊娠中くらいしかなったことなかったのに。
今は静養。
ラクダのポーズが原因ではないと思っている。
あんなに徐々に徐々にラクダになったのに。

もう少し準備中

厚生労働省の職業情報サイトにアロマセラピストというその他サービスの職業として紹介され、
確定申告の職業欄になんて書けばいいか悩まずに済むようになった。
それまではサービス業とか接客業とか適当に書いていた。

休養の質を高め、健康づくりを助ける
美と健康の維持、増進が目的
と書かれていたりする。

3月以降、その職業としての活動を停止している。
学びや試行、研究の時間は途絶えてはいない。
けれど、人に触れないという気持ちの張り詰めがない状態にほっとする自分にそれまでの日々の緊張を自覚した。
そして、訪問という方法でトリートメントを行うことに
私がいま世界中を悩ませる感染症を媒介する者になることをまだ恐ろしく思い再開を躊躇している。

いくつも、幾パターンもシュミレーションした。
いろいろなガイドラインを参考にして、私のルールも決めていっている。
あとは、一人一人に対して私がとる方法と症状や状況の重要性を量りながら縁を結んでいくだけだ。

私の手も、もうとても頼りない。
手入れだけは怠っていない手。
誰かのためにある手。