キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

三月さん

三月書房さんが閉店するという記事を読んだ。購読する新聞で。
20年になるか、髪を切ってもらっている美容師さんの店が以前寺町通にあった。
友達の実家もあった。
古本屋のようでそうでない新書の気になる本がいっぱい置いてある書店で、
書店というよりやっぱり書房という感じで店の奥におじいさんがいた。
髪を切る度に立ち寄っていた。
そのおじいさん宍戸恭一さん。
交際前の元夫と宍戸さんは知り合いで、宍戸さんと息子さんが店番を交代するころを見計らってよく鴨川や高瀬川を歩いた。
よくコーヒーを飲んだ。
蛍を見に行った。
よく写真を撮ってくれた。
震えるのかいつもちょっとピンボケしていた。
書房の中と違って外ではいつも笑っていた。
新聞記事に映っていた宍戸さんはもちろん息子さんで宍戸さんとは雰囲気は違うが三月さんだった。
なくなるのか三月さん。
と、宍戸さんを挟んで座った喫茶店のカウンターの交際前の元夫のことも思い出した。
交際前だからいい思い出しかない。