キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

自転車の買い替え

長女6年生。
一年生の時に2代目の自転車を買い与え、町内を乗り回し、
自転車教習を受けたのち公道デビュー。
「自転車小さい」の訴えを適当に聞き流し、
気が付いたら本当に小さくなっていた。

私のスケジュールと、子のスケジュールが合わずなかなか買い替えにいたらなかった。
自転車の仕様、耐久性、用途、中学生になったときの使用回数などを考えた時の買い替え予算を相談しながらやっと買った。

高校進学で通学に使うようになれば、また新しいのが必要になるだろうと、それなりのものを買った。
そう思っても、やはり、買い替えは早いに越したことはなかっただろうなあと思う。
次女の時はそうしよう。

例のごとく、長女のお下がりを次女にあてがったところ「お下がりばっかりイヤや!!」
と、溜めていた我慢の言葉をいっぱい並べた次女。涙をためてこぼして。
言い尽くして一晩経ったら、長女にピカピカに磨かせたお下がりの自転車を正月早々町内を乗り回していた。
そして、自分が乗っていた自転車も同じようにピカピカに磨いていた。
また、暖かくなったらサイクリング行こな。


私は妹と
「お下がりイヤやとこんだけ文句言えるのっていいなあ」
と自分たちの子供のころを思い出してうらやましい気持ちになった。
従兄弟のお下がりのさび止めペンキで真っ黒の自転車や、
初めて買ってもらった自転車のことを思い出しながら。


今年の仕事始め

昨年の夏だったか、このT病院での産後アロマトリートメントのお話をいただいた。
でも、実際の契約者は別にあって、その方の穴埋め的委託スタッフとしてだった。
それでも、私のために、
子育てにも、夫婦としてもつまづきまくってたその頃の自分のために始めたこのアロマテラピーを手段として
子育て家族、母になったおんなたちのために一瞬でも交わりたいと思って私を立ち直らせてきた。
その初めのつまづきの記憶の場所が産院だった。
だから、どんな形であれ思い描いていた初めの場所に身を置くことができることがうれしい。

元夫と離婚したのは今から一年前の年末。
生まれるのは年明け正月頃だと言っていたので、長く離婚協議中だった元夫との結婚契約期間中に今の奥さんとなった人が妊娠した子が生まれたのも、ちょうど一年。

この仕事の話が来た時、正直まだ早いと思った。
素直に、子を産んだ女たちをねぎらい、寄り添い、触れる自信がなかった。
生まれたばかりの小さな新生児に邪悪な気持ちを向けずにいれるかも。

でも、私は今、ここでこの仕事をしている。

たった30分の交わり、触れる時間。
この年末年始も新しい家族を迎えた夫婦、家族がある。
格別なお正月を迎え、毎年、毎年それを思い出し噛みしめながら新しい年を迎えていくのだろうな。

私は、これからも出来るだけ何でもないようにできるだけ努めて一年を終わらせ、
一年を始める。
今年の年末年始にも出産があった。
2018年1月3日、今年の私の仕事はじめ。




あなたがその角を曲がるまで

昨年11月から、宇治市の総合病院Tの産科のサービスでの産後アロマトリートメントの仕事に行っている。
産婦の妊娠期から続くマイナートラブルや、
陣痛出産時の緊張やいきみの筋肉のこわばりを楽に
これから始まる育児や、
母になった自分と向き合っていくことや、
親となっていくことへ夫と向き合っていく不安
生活の中に子育てを組み入れていくことへのシフトチェンジ。
妊娠、出産のお疲れ様と、これから始まる新しい家族との始まりへの応援を込めたサービス。

出産という自分と別のものとして存在する子と分離されたことによって、
始まっていくすべてがこの産院での入院期間中に始まる。

このT病院では、入院期間中の5日ほどの期間の中で、30分の産後の癒しサービス。
私は週に2日午後の時間を担当している。
残念だけれど、私の担当している曜日に受けられる産婦の数は少ない。
宇治にも間違いなく少子化の現実がある。
それともよその産院は盛況なのだろうか。
このT病院にはNICUもあり小児科との連携は万全だ。
でも移転新築されたここは高額かもしれない。

予約を受け、コンサルテーションを含めた1時間ほどを彼女たちと過ごす。
自分自身の出産という人生で超特別な時期に出会い、かわした言葉や、
些細なしぐさや、接触をとても印象深く私は覚えている。
ゆえに、私はできるだけ平常に気を配り、
言葉を選び、彼女らと香りを選び、触れる。
そして、彼女らの波長に近いところを風のように漂う。
そうして、彼女らとの時間を過ごした後、
まだ妊婦の頃と同じ少し腰をそり気味に
子が出てきた股の間を気にしつつ、
小股でゆっくりと歩いていくパジャマ姿の後姿を廊下の角を曲がり切るまで
かならず見送る。
彼女たちにガンバレ~、ガンバレ~と
そして、その姿が曲がり切って見えなくなった後に
必ず見えるその頃の私の後姿を重ねてもう一声、ガンバレ~と込めている。

そして、今書いていながらあんたも頑張ったんやで~と
もっと頑張れたんちゃうか、もっとこうできたんちゃうかと思ってしまう自分に言い聞かせる。

歩合制の失敗

歩合制で働くという選択を間違えた。

働く時間は決められている。
需要の数は限られている。
その中で歩合制で働き、一件に対する金額という報酬を提案されたとき、
「捕らぬ狸の皮算用」
平均数をそのまま需要数と換算してしまった。

時間は拘束されたうえ、
その一件があるのかないのか。

頑張れば頑張るだけ得ることができる働き方であるはずの歩合制のあるべき報酬方式のはずだった。
この仕事は、私のしたいと思っていたことの始まりの場所だ。
それ故に、少し引っかかる部分があっても、理不尽に思えたことでも
片眼を閉じて、薄目でそこを見ないように幾月かを働いた。
でも、私は働く大人だ。
ボランティアでもない。
趣味でもない。
自信を持って働くための資格のために自己投資もした。
子もいる。
自分の働く対価として正しい報酬を得なくてはならない。
そう思う私の心と生活を守らなくてはならない。
一年、また仕切り直し。

昨年末

予想外に大失速してしまった昨年後半。
仕事も、身の回りのことも。

ただ、一年という時間をあっという間に過ごし、使い切った。
年末も、いろいろなアクシデントを受け止めながら、
年末年始を特別にしすぎないように、
生活を時間の進み方を変えすぎないように気を付けながら過ごした。

今年を、巻き返していかなければ。