キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

黛を濃うせよ

黛を濃うせよ草は芳しき    松根東洋城

購読している毎日新聞の季語刻々という俳句の欄にあった。

眉を濃く書きなさい。
若草のこの季節、濃い眉のあなたはまさに若草のような美しさ。という句だそう。

素敵な句だなあと思った。
太眉が流行りだそうだ。今もかはわからないが。
眉の下弦をしっかり太目に描くと若々しく見えるとか。
今はマスクをして出かけることが常なので、メイクというほどはしないが
眉はしっかり太くやわらかに、軽くマスカラをすれば眼力はとっても強くチャーミングなマスク美人になる。
「出かけなくても、眉は毎日描こう」が日課
不思議と眉をちゃんと描くと元気になる。
眉間のあたりには第3の目があると信じている。
眉はその目を支えているのだろう。

今日も黛濃く描いている。
こうしてまた、日々の心のつらつらとした言葉も残そうとしている。
大丈夫、大丈夫。

ポストまでは徒歩3分

スマートフォンに変えて、いくつかのアプリをインストールして、
仕事の仲間内でも必要なのでLineも始めた。

必要連絡も、共有もできて便利だが、繋がりと、心許した間柄ゆえの「友だち」なのだろう。

つながる手段は手に入れたが、やっぱりせっせと手紙を書いている。
手元に気のきいたポストカードがなくなってきた。
彼女にはどのカードで書こう・・・と選べなくなっている。
カードまで手作りでアレンジして。
全然アナログな私。
ポストまでは徒歩3分。
要でも急でもない。
遠くから手を振っているようなソーシャルディスタンス。

どこにいるのか

covid-19

毎日がその報道ばかり。

家にいるとはいえ、もう感染していて潜伏期かもしれないし、
まったくの無症状でいるだけかもしれないし、
ちょっと鼻息が熱かったり、ちょっと鼻やのどの奥なんかがカ~っとする・・・
なんて怖くなって体温を測ってみるとなんでもなかったり。

体がなまって仕方がないと、やたらスクワットや筋トレしたり。

涙が出て止まらなくて仕方がなかったり。

やたらと子供たちを捕まえては抱きしめたり。

岡江久美子さんの訃報以降か、特にそんな風に過剰に反応している。
今日、朝ドラの「エール」に志村けんさんの姿を見て、またザワンザワンと胸の奥からせりあがってきている。

新聞の大きな見開き半分のファッション誌の広告も夏の装いで
ショッピング欲をそよそよと誘いに来ているのだから。
そう、始まりに急いではいけないけれど、今立っている場所がわからなくなっている。
怖い。
ちょいと背中を押されれば、ブリキ人形のようにトコトコと歩き出してしまいそう。

今とつながる

スマートフォンで写真を撮るときれいすぎてびっくりした。
きれいに映りすぎてびっくりした。
うまく撮れすぎてびっくりした。

だけど、無性に草花を写生したくなった。
20年ぶりくらいに、自分だけの時間を向き合うその植物とだけのために使った。
シダの新芽がまだ蕨の形に巻いている赤くかたいゆっくり伸びをしている様を
周りの先輩のシダの葉が日陰を好んで生えているくせに、
手を体中をうわっと高く広げていっぱい日を浴びようとして万歳している姿がやっぱり好き。
全然手は動かなくて、それらしく書くことは早々にあきらめて、
久しぶりに描けてうれしい~~~~!!!ていう、今、今、今この時間ていう
生きてる私~~~!
つながった快感と勢いと幸せの写生。

この姿のシダも一瞬。
明日、明後日、明々後日にはどんどんこのワラビは開いて違う姿になっている。
今がなくなっていく。
だから、毎日忙しい。
あなた達の姿を描きとどめるのは。

スマートフォンで撮った写真の張り付け方がわからなかった。

遅ればせながら

4月になって、仕事の日数が減り、
また緊急事態宣言によって自粛が積み重なっていくことを見越して
遅ればせながらスマートフォンに変えた。
PHSのおもちゃのような小さな軽い機種が気に入っていたので、不自由もしていなかったが、7月末までしか使えなくなるので仕方なく。
しかも、郵送で初期設定も自分でしなくてはならないとなると、この巣ごもり時期にはピッタリ。

少々疎くても、ゆっくり、慌てず、少しづつ指示に従い操作すれば問題ない。
必要な最低限のアプリもインストールして、少しずつ初心者ユーザーを楽しんでいる。
楽しい、うれしくなるようなニュースがたくさん見れればいい。
ここから何かを発信することができたらいい。
子たちの写真ももうちょっと頑張って撮ろう。