キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

まるで、ウニだな

前夫のSNSをパラパラと見ていて、急に今の奥さんと新しい子の写真があった。
あるはずのないものと思っていた自分が、ひどく狼狽したようで、また冷静だった。

顔の造作には興味がわかなかった。
ただ、どんな肌質をしているのか、その血肉を包んだ皮膚のその肌を抱いているのだということだけだ。
そして、カメラとその人との間にある空気感。

いつか、私との間にもあった知っているものか。
情だけだと言っていたその言葉とは、もう今は違っている時間が見て取れた。
そして、きっと
「ありがとう、また僕を父親にしてくれて、ありがとう家族を作ってくれて。」
と、ちっちゃな涙を流しながら言ったのであろうと想像した。

そして、その人が今、落ち着いておだやかに、子育てをしているその今の環境を得ているのは、
私の失敗や、苦労や、苦しみあってこそ、
それらが取り除かれ、歩きやすくつまずかないように道が均されているからなのだろう。
再婚家庭のことをステップファミリーというらしい。
その人のための踏み台だったのだな。私の、そこでの生活は。
と、すさんだ思いも浮かんできて、自分で嫌な気持ちになる。

そうやって、自分のハートにとげを刺し、内側からもとげを生やして
ウニみたいになっている私のハートは、誰かを刺して傷つけたいわけじゃない。
そのとげを蠢かして、少しずつ前へ進みながらいつかそのとげが抜け落ちて
白骨するのが夢。