キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

遠い、かろやかな、色鮮やかな、優しい襟元

首もとに布を巻くのが好きだ。
季節を問わず、肌の乾燥も、日焼けも防ぐことができるし
何よりこれからの季節暖かい。
ハイネックやタートルもいいけれど、首や肩がつまってしまって最近苦手になってきた。
女性らしくデコルテを見せる襟元は素敵。
今年は秋が長くて冬の衣類もまだ出番はないが、
コートを出さずにはおりもので冬を越せればと思ってしまうほど。
無難な色ばかりを着ていたが、自分に力を貸してくれる色を探すのは楽しい。
が、大きい面積は勇気がいる。
スカーフや、ショールは挑戦しやすい。

昨日、ぶらりと立ち寄ったお店できれいな色の手触りもよいストールを見つけ、
母とどの色が素敵か品定めをしていると店員さんが話しかけてくれた。

「ネパールで織られたものです。
 震災の影響で、去年は大きいサイズで4200円が今年は3000円で
 ご提供できてお得です。」

ここで、ただ素直に安くなったことに喜べればよかったのだけれど
震災で大変な時に、どうしてネパールの織人やウールを紡ぐ人や売買の代金は
どんな仕組みになっていて、震災前と同じ価値のお金が彼らに支払われたのか
とても心配になった。
どんな理由でそれらは安く私たちの手元にやってきたのか。

こんなにきれいな色に染めて、織られているそのショールに包まれながら
やっぱり遠い土地の女性たちを想う。
貧しくて、暗く重たい気持ちでうずくまっていないでほしい。
ただ仕事があり、目の前にある紡がれた糸が織りあがっていき、正当な価値で働いていてほしい。
震災からの復興が、ネパールの人の土地に合った、人のための復興であってほしい。

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