キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

女は男に劣るのか、

先月は母の日があったから母マンスリーにしようと
母のこと、母になった自分とを重ねて書いていた。
で、今月は父の日があったから父のことを書こうとしたが
なかなか書くことはできなかった。
父個人のことを書くには危険すぎる。
父をことを考えようとしても対になって母の輪郭のほうがクローズアップされる。
どちらにしても、社会や異性とのつまずきは
父から母が受けた傷を目の当たりにした私も傷ついた結果かもしれない。

先日の大阪高裁での判決はとても衝撃だった。
遺族補償年金とは業務のため死亡した労働者の遺族に年金を支給する制度。
民間労働者、国家公務員、地方公務員向けの災害補償。
公務災害で地方公務員が死亡した場合、夫を亡くした妻は年齢を問わず夫の
平均給与の153~245日分が毎年支給される。
が、妻を亡くした夫は妻の死亡時に55歳以上か一定の障害がなければ受給資格がなく
平均給与の1000日分の一時支給。

今回のケースの場合、妻の死亡時に51歳で、不支給。
遺族の生活を保障する制度で男性の得られるであろう賃金があれば生活可能とのこと。
現在の社会情勢を見ても、労働者に占める非正規雇用の割合が女性は男性の3倍近いこと、女性の平均賃金は男性の約6割以下など妻を亡くした夫が独力で生計維持できなくなる可能性は、夫を亡くした妻に比べて著しく低いと判断されたかららしい。


男女共同参画、女性の社会進出、男女雇用機会均等法ワークライフバランス、男女の役割分担意識、専業主夫、男女の賃金格差、非正規雇用、同一価値労働同一賃金・・・・

今、男女の働き方、社会でのありかた、お互いの活かしあい方を見直しているときになんていう判決だろう。

同じ教育を受けても、劣った性として扱われる。
社会でも、家庭でも。
それに初めに傷ついたのは、父が母を見下げた言葉だった。
そして、夫から妻に、いや母になって一人分の働き手としてみなされなくなった私に放たれた言葉。
そして、同性でも立場の違う働くおんなからも専業主婦となったおんなに向けられる言葉。

対等であるはずの夫婦関係が崩れるとき。
言わせてはいけない言葉を言わせてしまった私と、
思ってもいけないことを言ってしまった夫。

怒りのアンテナは張りすぎると傷つくけれど、
必要なことはキャッチしていないと解消できる不都合も、
解決すべき課題もスル―してしまう。

とにかく、男も女も生きにくい。

そういえば、いつかのテレビで、独身で働くおんな、既婚で働くおんな、子育ても働きもする女、専業主婦らの討論番組でデープ・スペクターが、
「専業主婦も頑張っている。」と専業主婦であることに劣等感さえも感じながら終わろうかとしていた番組内で最後のコメントに言ってくれた。
その一言に私は救われた。そして、彼に対する見方もおかしなジョークをいう日本語の達者な外国人から、すごーく昇格した。

どうしたら、お互いをうらやましがらずにお互いを認め合って
いろんな立場の人が生きやすくなるのだろう。
自分自身が満たされていれば、不公平がなければ・・・?


このテーマは、これからもっと考えよう。