キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

死を思う

彼がこの世界からいなくなってからもう2か月がたってしまったんだなと数えてしまう。
終戦の日に放送されたドラマもやっぱりオンタイムでは観れなくて、
木曜日の番組も録画したものを少し時間をおいてから観た。
もうこの世界にはいないのだけれど、もうそれ以上の彼を見ることができないのだけれど、永遠に彼のままだと思ったりした。

死というものをあれ以来頻繁に考えている。
消えてなくなりたいとは思うが、死にたいとは思ったことはなかった。
どんな死も必ず一人に付き一回は必ず迎えることだ。
そう迎えるものだ、向かっているものだと思っている。
だけど死を選ぶ、死に向かってさ迷っているというタイミングが彼には何度もあったと思う。
きっと、その度に踏みとどまらせたり、助けられたり、ああ今じゃないと思わせるよな人や、言葉や、景色や、音楽やいろんなものがこの世界にはあったはずなんだけど、
あの日のあの時にはたまたま何もなくって死にさらわれたんだと思う。

彼は肉体をなくしてしまった。
だからもう、会えない。

私は肉体だけになってしまった。
私を迎えには来てくれなかった。
だから、生きてる。
わたしの元の魂はどんなだったか思い出しながらそのかけらの
いるものといらないものと分別しながら死を迎えるまで生きる。