キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

台所に立つこと

台所に立つことは好きだ。
野菜を切る、千切りなんかとっても好きだ。
パンを焼くことが好きだ。その発酵時間、決められた限られた時間で何かをすることも好き。
ケーキを焼くのも同じくらい好き。
パンにはベーカーズパーセンテージというものがあって、分量を正確に量って化学を起こしている。料理ってそんなものなんだなと思っている。
量るということをとても頼りにしていていつも必ず同じ味に、何度も専門のプロが試して誰でもおいしくできるよと分量を提示してくれているのをありがたく思っている。

味なんか二の次で、とにかくこの時間に食べさせなきゃ、この時間に完成していなきゃという夕食の時間に追い立てられ、何でもかんでもぶっこんでやけくそで作っていたころもあった。
味覚を感じないということに気づいていない時期もあった。
お前の料理にはがっかりや。と父から言われた言葉もとどめを刺した。

基本うちでは料理をしない。特に父や母に食べさせるものは。

量って作れるものだけ。
毎日朝ご飯を作って、お弁当を作って、子供たちに作ることで練習させてもらっている感じ。
もうちょっと上達して。と言われながら。

夕食を作るとき母のアシスタントに台所に入るが、
私と夕方台所に入るとせかされる空気をとてつもなく出しているそうで、
気ぜわしくていややといわれる。

確かに遅すぎる時間だというのもあるが、
夕方、黄昏、子どもの泣く声、立て続けになる電話、山積みの仕事、
あの頃の追い立てられる気持ちにどうしてもなってしまうのだな。
早く早く早く早く、早く早く早く早く、早く早く早く、早く早く早く、って。

いつか一人で暮らして、
すきに台所に立って、
夕食何を食べるか時々想像する。
案外、ちゃんとしたものを食べたいと思っていないことにも気づいたりする。
とっても粗食で、またはコールドディッシュ、またはお惣菜主義。
絶対欲しい、ご飯とみそ汁漬物。

絶対、バタバタ頑張らないと決めている。
完全にたんぱく質不足、栄養不足かも・・
いやいや、それより朝ご飯と昼食は、作るの全然苦じゃないからそれでいいかもしれんやん。