キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

喪中はがき

喪中はがきが届いた。
とても爽やかな色合いの花の絵柄だった。
きっと静かにゆっくりと受け止めながら、旅立たれ、見送られたのだろうなと感じた。

その友人に梅干しを漬け込む季節に
うちの梅の実をおすそ分けしようかと連絡をした時、
お父様の何度目かの手術と入院の話を聞いた。
今年はやめておこうかな
という彼女の返事に同感だった。
季節や季節の手仕事に思い出や想いは強く残る。

今年の桜は特別に格段にきれいだった。
去年の桜は一緒に観たなあと、突然お母様をなくされた方がつぶやかれた。
幾年かそうやって桜の季節になる度思い出されるだろう。
わたしも、桜を見るたび思い出すいつかの桜がある。
季節は巡って思い出させる。
少しずつ記憶を薄めながら。