キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

一年をカウントすること

もう、一年をカウントする時期に季節になってきた。

キッチンをリフォームして一年。
それまで使っていた30年も使ったキッチンが、今の設備に変えられて
綺麗になった。手入れもしやすくなったのだろう。
でも、前の方が使いやすかったと懐かしく思うのは、いかがなものか。

ここも、そこも、あれもと、不平不満は数えるといくつもあるが、
新しいことがすべていいわけではないのだということだ。
畳は新しいに超したことはないが、女房もそうなのだろうかと、
もうすぐ離婚一年、考えなくてもいいことまで考えてしまう。

また、今年も年末押し迫ったころにトイレ洗面所のリフォーム工事が予定されている。
両親の高齢化へ向けた生活環境、道具設備への対策であり、
また不甲斐なく寄生している私たち子らや孫への備えでもあるであろう。

残念なことに一年使ってみてのキッチンの使い勝手は良くなったかといえばそうでもない。今回のリフォームも、そうならないことを願う。
まずは、間取りの問題でもあり、部屋の数や広さの問題であり、時代性の住みにくさであり、家族性でもある。
身体機能の衰えや、体力に伴った気力の衰退による家庭内での引きこもり。
維持しきれない敷地内、家屋内においても縮小していかなくてはいけない。
私の持物でないので、どうにもできないのだけれど。

ずっと前から、去年のキッチンリフォームの前から決めていた。
だから、その時も、今回もリフォームには口を出さない。
なぜなら、私は子らを伴って一時でも、この両親の元を離れて
別に住処を整え、親になろうとしている。
まだ、何も決まっていないが、その時は必ず、情報も、物件も、運も目の前に現れると信じている。
両親のまだ元気なうちに。
実家は、私をまだまだ子へと引き戻す。
親の仮面を都度都度被りながら、子らの前に顔を向けていたが
今、このあたりで親にならなければ、もうチャンスはない。
子らの小さい間、
私が目を開かず、手も口も、足も心もなくしていた間
手をかけ、目をかけ、心を注いでくれたことに対しての裏切り、恩知らずととられるだろうか。
だけど、大人がたくさんいること、子の気配を感じない家の中に一緒にいても
何かとても薄まっているようでみんなが遠い。
私の肌感覚に、サイズ感に合う家で子らと一時、ギュウギュウになって
バタバタと毎日を過ごしてみたい。
来年の現実にしたい夢。