キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

亀 帰る

飼っていたカメがいなくなって20日ほどが経つ。
庭の木陰で、友達と遊んでいた次女が発見した。
いなくなって、おねえちゃんから飼育の手伝いから解放された次女にとっては『あ~あ・・・見つけちゃったよ・・・」
という感じだったかもしれない。

カメは、甲羅が反り返り、緑色だった背の甲羅が白くなっていた。
だから、見つけられた、見つかった。

「だれも、おかえり~!!
 よう帰ってきたなあ!!
 よう、生きててくれたなあ!!」

とは言わなかった。
世話の擦り付け合いになった。
残念だけど。

ちょうど次の日は、燃えるごみの日だった。
私は、いくつかの提案をした。

長女は、泣きながら
「一緒にお世話手伝って下さい。」
と、次女に頼んだ。

「いいよ。」
と、二人で世話を続けることになった。

今日、友人の飼っている猫が死んだ。
老衰、腎不全。
最後まで、とても大事にされていた。家族だった。

人に優しく。
思いやり。

そんなものは口では教えられない。
また、それは教えられて、気づかされたからといって身につかない。
育てた人の、環境のなかの同じ空気を吸っている中で細胞レベルで、染まってい行くようなものだ。

カメというものと見つめ合うということは難しいが、
それによってオキシトシンという幸福ホルモンが分泌されるということは、
私にはむつかしい。
特に、犬と人間は、哺乳類同士だからこそ見つめ合いでホルモン分泌がおこるのだろうか。
そうなら、カメでは役不足か。
もう、だんだん寒くなって行く。
こんなにダメージを受けたカメを、冬眠させるのは無理だ。
冬の間暖かくしてやって、冬を一緒に過ごさなくてはいけない。
姉妹でお世話するって、決めたんだから。
また、緑の甲羅を取り戻させなくちゃ。