キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

女の職業欄

美短大を卒業して、絵をかきながらその卒業した短大に助手として拾っていただき、
勤めながらバイトし、絵をかきながら過ごし、
そこをやめてからも、定職、正社員とはならずパートやバイトでつなぎながら絵をかき、
絵で食べていくということがイメージできないまま
結婚して自営業者の専従者として働き、
別居してしばらく主婦という子育て期間にいた。
その頃、同じくらいの子を持つ友人とアンケートに答えたが、
その用紙を見たら友人は職業欄に無職と書いていた。
私は、別居前なら専従者と書いていたが、主婦と書いた。

その友人との認識の違いをはっきり感じた。
しかも、主婦って、職業じゃないやん。賃金発生してないもん・・・
同じく家事と子育て期の状況でありながら、彼女は夫とは別のもう一人の大人として自立しようとしていた。
夫の持ち帰る夫の労働の対価としての給与とは別に、自分の労働によって手に入れるお金を得たいという欲求だった。

夫だった人の専従者として働いていたころ、夫の手の周らぬところ、目の行き届かぬところ、
心配りできないところ、出来ないところを探すように自分の仕事を増やすように仕事に明け暮れていた。
仕事場も、生活スペースも一緒だったから仕方がなかったのかもしれないが、二人で一つのことをやり遂げていると思っていたし、やりがいでもあった。
私が、私として一人の独立した労働者だと自信を持っていなかった。
所詮、手伝いだった。
給与。
本来、労働として支払われるべき給与であるはずだった給与が専従者給与という名目の生活費だった。
節税対策として自営業者はよくやることらしいが、
全く、良くないことだと思う。

今、パートで働いている彼女といると、またはふと思い出すと、きゅっと何か、まっすぐ立たなくちゃと、もう、奥さんでも何でもない頼るところのない自分をズドンと飛び越えなきゃいけないと、大きなことをもくろんでしまう私、脱落主婦。
なのに、パート収入程しかまだない。と、焦っている。
まだ、パート収入を越えない本業であるべきが、まだ職業欄に書けない。