キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

おしろいばなのにおい

いつの間にやらもう立秋。
夏休みは、子らの生活リズムを崩壊させないように朝の時間、自習の時間、銘々の自由時間、昼食までを一緒に取ってからの出勤にしている。
仕事を終えて家路につくのは7時過ぎ。
家から徒歩10分ほどの距離。
夏休みが始まったころはまだ日も落ち切らずに赤い夕陽の空を眺めながら
「今日も一日終わったなあ」と、
5月の奈良旅以来毎日必ず見るようになった夕焼けの
ほんの10分の時間を愛おしく感じながらあるいていたが、
今やその時間はもう夜の時間が迫った藍の色に薄黄色のかすかな残照とその空白に小さな蝙蝠の飛ぶ姿を目で追っている。
そして、いつもの場所でおしろいばなのにおいをたのしむ。
もう少し、夏が完全に終わるまで、このいつもの場所に咲くおしろいばなのにおい。