旅の終わり
児童や生徒だったころ
遠足や校外学習、修学旅行のおしまいに
「家に着くまでが遠足(修学旅行)や。」
と、家まで気を抜くな、安全に気を付けて楽しい思い出になるように帰りなさい。
と言われた。
旅から帰って、家について、本当に旅を終えたと思った。
一泊二日の旅。
13年という結婚という旅。
そこが、南の亜熱帯の非日常を味わう一般的には旅に訪れるような特別な島で
なおさらそう感じることができて幸い、よかったと思う。
旅を終えて、日常に戻ろうとしている。
住み始めたころ、前夫の夢に乗って「いいとこに連れてきてもらったなあ」と、
住み始めたそこは、私の求めていた生活のサイズにぴったりだった。
そして、つないでいた手がほどけて、だんだん狭くなっていった。
今また宇治に帰ってきて5年、このサイズになじもうとしている。
そして、旅を終えて、「長くさ迷っていたなあ。」と思う。