キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

浴室の鏡に、私がみえる。

その胸の乳輪の中央にあるはずの乳頭が、少しひしゃげたようになっている。
子が、二人合わせて40か月もこの乳を吸っていた。
納得の形状かもしれない。
加齢のための弛みや下垂ともいえるが。

いつか、誰かが言っていたのか、何かで読んだのか、
タバコを吸う人は、ニコチンの中毒のその前に乳幼児期に十分におっぱいをふくませてもらえなかった欲求不満の解消、または十分に甘えられなかった自分を慰めるために
煙草を母の乳の代わりにくちびるにあて、吸っている。
と聞いて、その煙草をくわえて吸っている姿が
おっぱいを吸っている様に見えてしょうがない。

ニコチンパッチや禁煙ガムを与えて禁煙を迫った前夫にも
「タバコ吸いたくなったら、乳吸いにおいで」
とでも冗談でも言っていれば、禁煙しただろうか、セックスレスではなかっただろうか、今はどれくらい吸っているのだろうか、いつまでタバコを吸うのだろうか。
と、ふと思ったりした。

セックスアピールのため、赤ちゃんが乳首を見つけやすいようにとメラニン過剰に色の濃かった乳輪は、授乳を終えてからグンと色が優しいきれいな色になった。
これも、体の生殖の活動の終わりの合図、変化なんだろうなあ。