キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

家なき子

お仕事に行っているエステのお店は、販促集客のための努力を
コツコツと頑張りすぎずに確実に行っていく。
その一つにポスティングは欠かせないものになっている。

私もその一部を行っていて、
ご近所の見慣れて、通り慣れている道も一軒一軒の家に立ち止まると知らない場所だと気づく。
近頃のポストはとてもスマートでどこから入れたらいいの~?と
考え込んでしまう。
気をつけないと噛みつかれてしまう。

小さな三輪車や自転車、バギーなんかが置かれた小さな、こじゃれた新築の家の前に立つと、
この家はご両親の援助を得て立ったのだろうか?
30年ローンを背負って夫婦共働きだろうか?
子育てが一段落したら妻はパートや復職するのだろうか?
と二人で苦労を分かち合う様子を想像したりする。
静かに悠々と育つ庭木の広い庭や、
お布団が気持ちよさそうに干されたベランダを見る時も
どんなにか笑いと、慈しみ合いと、助け合い支え合う家族が住んでいるのだろう。と。

私の家なんか、ここにはないのに、どこにもないのに
私の家ではないですか?
私を愛してくれる人はいませんか?
と、お便りを入れて歩いているような気持ちになってやるせなさに悲しいを通り越してしまう。

相当私、弱っているなあと思いつつ、
一軒一軒、ポストに嚙みつかれないように
優しく、丁寧に一枚一枚、
あなたをキレイに、
元気にするお手伝いができますよ。と、悲しくならないように歌いながら歩いている。
家なき子。にならないように。