キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

竹の手仕事  IN 宇治市植物園

夏休みが始まてすぐ、その竹林の伐採、更地になるのに時はかからなかった。

春の筍のシーズンには近隣住民に自由に筍掘りをさせていただいていて、
今まで筍を買ったことがなかった。
子らと、ジイジとで楽しみにしていた春がもうなくなるなんて。
夕焼けの日が落ちていくのは、その竹林の影だったのに
今は屋根のシルエット。

こんなことになるとはつゆ知らず、
この宝の放置竹林がとっても楽しい手仕事を生むのではないかという期待も込めて
夏休み企画の宇治市植物園のワークショップ「手ぼうき作り」に申し込みをしていたのだ。
竹林はなくなったが、作るのは大好き。(子らではなく私)
子らと参加した。

企画、指導は園長の曽和氏。
植物個々、というよりも庭園、ランドスケープとしての町、人が好きという
とても話すことも大好きな4月からの新園長さん。

奈良の造園業に生まれた曽和少年の話から庭掃除、大学進学、
園内の竹の観察や、竹の性質などお話をうかがって、いよいよほうき作りへ。
この日使ったのは宮津の竹の枝。
竹は夏、光合成で養分を作り、冬、根っこで蓄えて筍として子を殖やしていく。
秋以降に伐られて葉を落とし、乾燥させた枝を使った。
高齢化が進んだ国産の竹を使った国産の竹ぼうきは、なくなるのではないかと心配される貴重な作り方の技を教えていただく。
根気良く、ちまちまとした作業も、自然の素材に触れる心地よさや
おしゃべりしながらの形になっていく様子も、
工程の工夫に気づきながら美しく仕上げていく一つ一つが日本的で愛おしい。

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そして完成。
これを使って、しゃがんでほうきを手前から前に向かってサッサとはき進めて、
前に進んだ分だけ、後ろは塵一つない。
庭の木の剪定が楽しみだ。
余った短い枝を使って、卓上用の手ぼうきも作らせていただいた。
宿題後の消しゴムのカスはき用。
植木屋をしている友人の夫君に見せて、
一緒に庭掃除をしたいなあなんて思いながら
まだこの暑いさなかは、蚊の餌食になるだけだと、庭掃除なんかする気にはなれないでいる。