キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

2017-09-24から1日間の記事一覧

特別な衣装ケース

衣替えや子らの衣類のチェックをする季節。一番大きな衣装ケースに子らが乳幼児の頃の小さな洋服ばかりがある。私が大切にしている服。友人に子供が出来たらあげたいなあと思っているものや、孫ができたら出してあげたいなあと思う服も。特別にいい洋服でも…

誕生日前

もうすぐ、私の誕生日が来る。44歳。子らの誕生日や、クリスマスや、何かといえば本を贈ってきたので子らも、私に本をと思ったらしいが、子らの読書量や幼さでは私に本を贈るなんて無理だ。読みたい本は私が決める。読むべき本は私の前に現れる。はっきり、…

「君のじゃない、僕の、お客さん。 ぼくの稼いだお金。 ぼくの仕事で、君は誰でもできる仕事を手伝ってただけ。」じゃあ、お客さんからの電話でなきゃよかった。お客さんの食べるもの、飲むもの準備しなきゃよかった。洗ったり片づけたり、何にもしなきゃよ…

トカゲのしっぽ

1999年。交際を始めた日、「君がこの手を離しても、僕は絶対離さへん。」元夫の手は、トカゲのしっぽのように切り離されて異次元で私の手を握っているつもりだろう。また、新しい手を生やして別の手を握っている。わたしは、そんな先だけの手はやっぱりいら…

青いドレス

元夫のSNSの写真で見た、青い海の断崖に立つ青いドレスを着た丸いお腹をした女。遠くの丸い水平線。バリ島であげた私と夫の結婚式に参列した真青なドレスを着た義母。同じ真青なドレス。地球最後の日に、最後に会いたい人は?と、聞いたら「おばあちゃん」と…

にんじん

一度だけ、義母だった人と私の台所に立ったことがある。一本のにんじんを調理する時彼女は、細い方を使うか、太い方を残すか私に聞いた。何を作っていたかは思い出せない。長女を妊娠しているまだ、つわりでつらい時だった。台風が迫っていた。私はにんじん…