キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

今とつながる

スマートフォンで写真を撮るときれいすぎてびっくりした。
きれいに映りすぎてびっくりした。
うまく撮れすぎてびっくりした。

だけど、無性に草花を写生したくなった。
20年ぶりくらいに、自分だけの時間を向き合うその植物とだけのために使った。
シダの新芽がまだ蕨の形に巻いている赤くかたいゆっくり伸びをしている様を
周りの先輩のシダの葉が日陰を好んで生えているくせに、
手を体中をうわっと高く広げていっぱい日を浴びようとして万歳している姿がやっぱり好き。
全然手は動かなくて、それらしく書くことは早々にあきらめて、
久しぶりに描けてうれしい~~~~!!!ていう、今、今、今この時間ていう
生きてる私~~~!
つながった快感と勢いと幸せの写生。

この姿のシダも一瞬。
明日、明後日、明々後日にはどんどんこのワラビは開いて違う姿になっている。
今がなくなっていく。
だから、毎日忙しい。
あなた達の姿を描きとどめるのは。

スマートフォンで撮った写真の張り付け方がわからなかった。

遅ればせながら

4月になって、仕事の日数が減り、
また緊急事態宣言によって自粛が積み重なっていくことを見越して
遅ればせながらスマートフォンに変えた。
PHSのおもちゃのような小さな軽い機種が気に入っていたので、不自由もしていなかったが、7月末までしか使えなくなるので仕方なく。
しかも、郵送で初期設定も自分でしなくてはならないとなると、この巣ごもり時期にはピッタリ。

少々疎くても、ゆっくり、慌てず、少しづつ指示に従い操作すれば問題ない。
必要な最低限のアプリもインストールして、少しずつ初心者ユーザーを楽しんでいる。
楽しい、うれしくなるようなニュースがたくさん見れればいい。
ここから何かを発信することができたらいい。
子たちの写真ももうちょっと頑張って撮ろう。

令和2年

去年の今日、子らと一泊の旅に出て、
5月1日新しい元号になった。
その旅の電車の中で、元号予想をした。
みなの願いが一杯。

私    立光
長女   光新
次女   美生

どれも外れたけれど、その発表をアドベンチャーワールドのイルカショーの開演を待っているときに知った。
次女は自分へのお土産で連れ帰ったパンダのパペットぬいぐるみの名を令浜(レイヒン)とした。

良い、新しい時世になりますようにと願った令和を
お互いに優しさと
なにを大事にして選んでいくか、
時間はあるようでないのだけれどよく見つめて良い時代を生きたい。

従順

良くも悪くも言葉に対して従順だ。
すぐお守りみたいに信じる。
疑わず、その通りにしようとする。
その言葉通りになっていく。

そして、体や心に違和感を感じて「あれ、おかしいな。」
と気づき始める。
糸をたぐって、穴に手や顔を突っ込み、やめる、しないという決断へのカウントダウンをしながら着地点を見定めるように自分の姿を探す。

4月9日に仕事に行って以来、初めて車で外出した。
思った以上に、いつも以上に車も人も多いのではないかと思ったほど久しぶりに外の世界を見たというかんじ。
宇治川の天ケ瀬ダムの下にあるつり橋のあたりは架け替えの工事も終わって新緑もきれいだろうとドライブに行ったが、すごい路駐と人の多さに車を止めることもできなかった。
また、別の日に来よう。
「家にいよう」
その言葉通りやはり、今はまだ家にいる。
今は、まだその時だ。
自分の感覚に従順でいよう。

3か月目

小学生、中学生の子らが3月から外出自粛を始めて、
巣ごもり生活を満喫している。

2か月目に入った4月はもうこの生活に慣れたもので
登校するような時間には起きてくることはできないが、
時間を決めて机に向かうことや、ダンスをして体を動かしたり、
楽器を鳴らしたり、台所に立つことが増えたり、
仕事に行くことができない私も含めてお互いに干渉しすぎずに
お互いがいい気分でいられるように言葉や間合いを図りながらいた。

3か月目になる5月、学校からも、塾からもオンライン授業の準備を促されている。
9月入学新学期の話も報道で見た。
思いがけずに得たこの止まった時間。
だけれども、消費し続けている。
いろんなものを。
外との直のつながりを断っている今だけれど、
より外を意識する。
内に向かうと、とても一瞬ではかない感覚ばかりで味わう傍から溶けて行ってしまう。
どんどんスピリチュアルでファンタジーな浮世離れしていってしまう逃避。