キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

ずっとあのまま、私のもの

地震のあった朝、私はあの島のあの家にいる。
東向き窓の向こうにブーゲンビリア
ねずみが出入りしないように窓に取り付けた換気扇は24時間回っている。
一番安かった台所のシンクは私の身長にも低かったので、台をつけて5cmほど高くしていた。
コンロの右に卓上の大きなガスオーブンを置いてある。
その台はスチール製で自分で採寸して作った。
青い食器棚はきれいな青で、とても滑らかに開閉するたくさん入る引き出しが三段ついている。
その中には、かつてたくさん並べていた食器があったが、その大半は私の手元へ持ち帰った。
今その台所にあるのは大きくて運び出せなかったものと、そこでの生活で特に出番の多かったもの。
その朝震えた食器は、染付の直径15cmほどの平皿と、白磁作家の取り皿と平小鉢。
2人で揃いで買い求めたコーヒーカップや湯飲み、初めて2人で暮らし始めた時にそろえた2枚ずつの皿。
想いの強すぎた物たち。
私の台所、私の食器棚は帰ったらすぐ台所に立てるように
出かける前の整頓したままの姿だ。

あの朝、その台所まで呼び寄せられるまで、
私はいつも密かに風に揺れるカーテンからも
見知らぬ人に料理をのせられる時も、その皿たちからカップから
毒を滲み出させていた。
じわじわとうっすらと、濃く、しっかりと。
ホ・オポノポノと穏やかにできるわけがない。
そうやって猛毒を吐くのもデトックス

でも、地震に怖がった食器たちに会いに行ってちょっと変わっていっている私に気づいたよ。
実際どう使われようが、どんな姿になっていようが、
私の台所も、食器棚も、お皿もずっと私のもの。
ずっとあのまま。
ありがとう ごめんね  許してね  愛してる

一枚の重さ

長女中学二年生、月のお小遣い2000円
次女小学4年生、月のお小遣い800円
たまに臨時収入あり。
本は図書カードを誕生日、クリスマス、進級祝いなどでいただけるので不自由はない。
少ないのかな、妥当なのかわからないが、
毎月お小遣い帳をつけて決算して、次月の予算を立てる。
誰かのお誕生日だったり、出かける予定に合わせてやりくりしている。

先日、熨斗がついて蝶結びの封筒に入ったお小遣いをいただいて、
彼女たちにとっては大きなお金だった。
それぞれが報告と預かってと持ってきた。
次女はいくら入っているのか確かめていて封があいていた。
2人は同額だと思っているのだろうか。
そのふたつは明らかに、重さが違った。
お札一枚分。

その封筒の重さを両手に持ちながらながい時間動けず、思い出したこと。
学生の春休み、従妹夫婦が経営していた長野県の高原のペンションに
友人とアルバイトに行った。
交通費も出してくれたし、半分旅行の気分で10日ほどアルバイトした。
帰り、最寄り駅まで送ってくれた電車を待つ駅で私たちは給与袋をあけた。
私の方が1万円多く入っていた。
とても居心地悪く、腹が立ってしょうがなかった。
強硬に固辞する友人と5千円づつ分けた。
どうしてもそうしたかった。
いや、捨てたかった。
募金箱に入れてもよかった。
帰りの時間が苦しかった。
思い出しても今でも苦しい。

せっちゃんは、小学校の時から高校まで一緒だった。
色が白くて、髪がサラサラのロングヘアで、えらが張ってて、良く横に開く大きな口で笑う子で、
マイケルジャクソンが大好きで、たくさんカセットテープに録音して私をマイケル教の信者にしようとした。
踊ることが大好きで、今も踊ることを仕事にしている。と聞いている。
会いたいなあ。
会ったら泣いちゃうな。

好きな人がいるっていいな

「好きな人がいるっていいな~
洋服選ぶのも楽しい~!!」

毎晩、布団を敷いたら翌朝着替える洋服を枕もとに準備して寝る次女4年生。
何人目かの好きになった男の子達のそれぞれの好きなところを教えてくれる。
好きになるとこがいっぱいあっていいなあ。
見つけられて言葉にできるっていいな。

次女の定番スクールスタイルは、ラインパンツか黒のレギンスパンツ、赤いチェックのミニスカート、デニムのオーバーオールスカートにセーターかスエット。