キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

3月のことですが

3月の末、長女たち吹奏楽部に所属する宇治の中学校が集まって演奏するコンサートがある。
各校が、2曲ずつを演奏する。
大所帯の学校もあれば、少ない部員数での演奏などいろいろだけれど、
数ではない迫力や、演奏の丁寧さや、指導者の特性などもよく表れた面白さがある。
午前中に仕事だったので、全部の学校を聞けたわけではなかったが、ギリギリ長女の出番には間に合った。
長女のフルートのソロからの曲の始まりだった。
そんなことは聞いてなかったので、びっくりはしたが、あ~この子はこんな音を出すのだなと、落ち着いて聴くことが出来た。
観客席からの録画撮影も可能だったが、録画する習慣がないので、記録として残してあげられていないことがたくさんあるのだけれど、その録らなくちゃという行為に気を取られることもないので、なおさら彼女の音だけを覚えている。
フルートのソロが終わって、音がどんどん合わさって曲になっていく。
とても難しい曲だった。その中に、彼女もいるのだ。
中学生らしいハイテンポで、エネルギーを感じる楽しい曲の方が感動して涙が出るのはどうしてだろうなと思いながら、2曲目を聞き、他校のたくさんの音を楽しんだ。

子の姿を見て、うれしいなと思ったり、頑張れ~って応援しているとき、ここにパパもいたらなと思うことが時々あって、パパがいるようにフッとその場においてみる。
すると、必ずどうしても、このホールでふとそう思ったこの時も、サッとホールの中の空気が一瞬に変わる。
とても怖いものに。
このホールにいる人すべてが敵になる。
あの人と、あの島にいた時って、これが怖くって一緒にいれなかったんじゃないかって。

冬から春先、特に3月、心も体もまだまだ調子を崩す。
ゆえに、もう5月になってこんなことを書き残している。
あ~、まだまだだな私。