キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

18きっぷ企画第二弾

18きっぷ企画第二弾。
鳥取へ行って、往路に18きっぷを使って7時間。
復路もそのつもりだったけど、滞在時間や遊ぶ時間、子らの帰着時間を考えたら断念。
復路は特急を使ったので18きっぷを余らせてしまった。4月10日期日。
なので直前一日、第二弾18きっぷ日帰りの旅。
ずっと行きたかった岐阜の養老天命反転地
天気は少し寒くて、雨もパラパラっと、しとしとッと。

スマホタブレットも持っていないので、電車の乗り継ぎも、
旅の行程やその場所の情報をパソコンで調べて小さなメモ書きにして琵琶湖線の景色を楽しみながら、関ヶ原を通って、その時代を想像して子らと少ない知識を持ち寄ってあまりの無知さに恥ずかしくなり帰って調べ物をしたりする。
まだ雪が残る伊吹山をぐるりと回るように電車は走りながらいろんな角度からの姿を
見せてくれる。

あんなに来たかったのに来なかったのは、この子らと来る初めてをこの子らと今ある今日を一緒に来るためだったのだと思う。
来たからにはと、養老の滝の昔話をしながら滝までの道を歩く。
雨上がりを待ちながら昼食をとり、ワクワクしながら養老天命反転地へ。

子らは平気だったのだろうか。
私は長い時間、そこにいたほとんどの時間、その傾斜やでこぼこした地面、天井の高低や斜面、すり鉢状の中にいること、暗闇、手探りの想定のない仕掛けの感覚に私の弱い三半規管が足元から、お腹の中から、目の奥からずっと揺れている感じがおさまらなかった。
ただ、私の足や、全身の筋肉が転げまいと踏ん張って、脳の奥でこの感覚に慣れようと微調整を続けていた。
その微調整にとらわれている間、いろんなことにびっくりして、初めてのようなこと、見たことがないようなことを楽しんでいる子供になっていたことに、今思う。
今、思い出してもあの場所に立っていた不思議な感覚に酔うような感覚になる。
これは行った人にしかわからない。
でも、2度目行った時、この感覚はないかもしれない。
初めては大事だなあ。

身の回りには平面の段差や少しの斜面がある均された床や道。
前に早く安全に進むための。
目をつむればそんな平たんに思う場所もぐらぐらした心もとない、行先も確かでない場所に立っているのに。