キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

トカゲのしっぽ

1999年。
交際を始めた日、
「君がこの手を離しても、僕は絶対離さへん。」

元夫の手は、トカゲのしっぽのように切り離されて異次元で私の手を握っているつもりだろう。
また、新しい手を生やして別の手を握っている。

わたしは、そんな先だけの手はやっぱりいらないから、私の手もトカゲのしっぽのように切り離す。
私の手は、早々には生えてはこないだろうが。

どんなに離れても、恐怖でも、絶望しても、絶対離されはしないと信じていた自分が愚かすぎて阿呆なロマンチスト。