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キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

フォルテという強さ

毎日新聞を購読している。
3月、4月は紙面のリニューアル、記者の交代や、寂しいことも。

コラム発信箱の夕刊編集部小国 綾子さんの記事は楽しみにしていた。
よく、じんわり泣いた。
詩の話題が多かったように思う。
三月の最後の記事も歌人千葉聡さんの短歌の話。
高校の国語の先生で生徒とのかかわりや、教師としての悩みを短歌にされていたと。
その一句が紹介された。

フォルテとは遠く離れてゆく友に
        「またね」と叫ぶくらいの強さ


フォルテとはイタリア語で「力強く」「深く」という意味で使われる。
声だけでなく思いの強さのにじむ別れの短歌。
見送る側と、旅立つ側と、その声の強さや思いは違うだろう。

私は、つい最近あの場所から離れた。
が、まだ、そこにいる友たちにさよならも、ありがとうも言えてない。
離れた今の私に叫ぶだけの声が出ない。
そこに根を張り切れなかった私に、劣等感を感じているのかもしれないし、
自立しきれていない私が、まだまだ心細く思っているから。
フォルテほどの力がないから。
「またね」は、もう、無し。にしようと、決心しているからかもしれない。
でも、ご縁を信じて、「またね」と、いうべきか。
会えなくても、そこを時々思い出すたびの「またね」を自分だけのために用意しておこうか。

言葉は、怖い。
でも、こうして助けてくれる言葉に出会う。


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