キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

写真

何年も開けなかったアルバムを、
時間をさかのぼるように、
また、時間の流れに沿ってめくってみた。

どの写真も、笑っていて、
どの写真も嬉しそうにその姿を見つめて、シャッターが押されている。

どこにも、苦しかった私はいない。
しんどい姿を残そうとはしないし、見ないようにされていただろう、
またカメラに向かってしんどい姿を残そうとはしない。
私のその苦しかった時があったという証拠写真がない。
だから、夢だったのだろうか。
と、わからなくなる。

そうして、幸せだったという証拠写真が、夢だったのだと、
その夢を忘れろと強迫してくる。