キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

秋に子猫

3年前から夏の終わり、秋にかけてうちの敷地内に
子猫の声がする。
4年前に死んでしまったが、家でも10年以上飼った猫(オス)がいた。
が、子猫の時を知らないので家に居つく子猫たちが生後どのくらいかはわからない。
親猫の姿はなく、カラスやヒヨドリにつつかれて落ちた柿の実や
ゴミ箱から掻き出して食べていたりする。

3年前はとてもやせた白と黒い毛をした子で一匹でガレージの倉庫の下にいた。
猫好きな友人にどうしたらいいか相談すると、
写真を撮ったら里親探しを手伝ってくれることを申し出てくれた。
餌付けして写真を撮る機会をうかがっていたが、
その夜、その友人から帰る途中の私の家の近くの路上で車にひかれた子猫がいると連絡があった。
子猫がいついて大喜びしていた子らにはとても言えず、
子らが寝た後、見に行くと、アスファルトにへばりついた模様のようになったその子がいた。
友人からは「その子が与えられて持っていた寿命。」
と、メールが来た。

去年は、また違った柄の茶色い子猫が物干し場の隅のくぼみにいた。
この子は、運よくもらわれる先がすぐ見つかって
鰹節につられてすぐ段ボール箱の中に誘い込まれ
その家庭に引き渡すことができた。
その子はメスで、すぐ病院に連れていかれ健康状態など診てもらい、
ミミちゃんと呼ばれたくさんだっこしてもらって
暖かい部屋でお腹を空かせることもなく、存分に甘え、たいそうなやんちゃも
かわいいかわいいと大事にされている。
ミミちゃんとなったこの子のもって生まれたものだ。(下は段ボールの中のミミちゃん」

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今年は、真っ黒の中くらいの猫が、4匹のミミちゃんにちょっと似た色の子猫の近くにいて、町内の防災倉庫の下にいた。
鳴き声は4匹分。
暖かい日差しの中、日向ぼっこしたり、人の姿を見つけるとパッと渇いた溝に下りて走って逃げては後ろをうかがっていた。
また、友人に相談したが、餌付けして写真を撮るよう同じ指示を受けた。
が、今度の子らは居付いてくれない。
行動範囲が広かった。
あちらこちらで見かけたが、見るたびに大きくなり4匹いたどの子かもわからなくなり、そしてどの子もいなくなった。
夜更け、勝手口のごみ箱があらされることもある。
元気に生きているんだなあと少し安心することもあるが、
それがどの子で、何匹が生きているのか。
毎年のように迷い込んでくるこの子猫たちが、野良猫になったのは
人が捨てたから?
人がこの猫たちの寿命を操っている?