キツツキの穴

日々つついた穴を埋めたり、のぞいたり、もっと深く大きくしてゆく穴掘りメモ。

自分写真

八十ウン歳になる叔母の家に行った。
たくさん飾ってある幸せな子や孫、ひ孫の写真。
その中に若かりし頃の伯母が一人白いドレープのロングワンピースを着て
お気に入りの赤い皮のスリッパで腰かけている写真。
子も巣立ち、女性としても充実していたであろう頃の伯母。
自分の写真を飾る、飾れるって素敵だなって思った。

自分の写真を見て楽しかったことや、苦しかったこと、
その時見た空や、風景も一緒に思い出す。
そして傍で、「大丈夫かあ、頑張ってるなあ、いいんやで。」と
心配したり応援してくれた声や、見えない誰かを感じていたことを思い出す。

その時は、ご先祖様や、やさしかった祖父母や守護霊様かと思っていたけれど
今は、時空を超えて届くその誰かは、その時を思い出している私自身のまなざしや声だと思っている。

今は、少し辛くても、しんどかったころの写真も見ることにしている。
見るたびにその時の私に会えるし声もかけてあげられる。
それに、しんどかったことと一緒に幸せだったことも少しずつ気づいて見つけられるようになってきたから。

私も、私の写真を飾れる私になりたい。